堀川高校探究学科群の数学から学ぶー「展開」と「因数分解」
今回は、堀川高校探究科群の中では比較的取り組みやすい、2026年[1](2)の問題を通して、高校数学にもつながる大切な「式の見方」について考えてみます。 [1](2)
(i) (a+b+c)(a²+b²+c²−ab−bc−ca)を展開しなさい。
(ii) 64x³+y³+8z³−24xyzを因数分解しなさい。
(i)は展開の計算を行うことで、a³+b³+c³−3abcと計算できます。こちらは原則通り計算を行うだけの基本問題です。
(ii)では、直前の(i)の結果を利用できないかと考えることが重要です。
(i)と(ii)の式を比べて、64x³=(4x)³,8z³=(2z)³と見れば、4x, y, 2zという「かたまり」を、それぞれ a, b, cとみることができます。
つまり、a=4x, b=y, c=2z と対応させれば、(i)で得た等式を逆向きに利用して、(ii)を因数分解できます。
この問題を解くときの思考の流れに沿って、「性質・操作・方針」を整理してみます。
【方針】前の設問を利用できないか考える (i)と(ii)が続いていること自体がヒントです。「(i)で得た結果を使うのでは?」と考えることから始めます。
【操作】式どうしを比べ、対応するものを探す a³に対応するものは 64x³、b³にはy³…というように、式の「形」を比べます。
【操作】かたまりを1つの文字とみる 64x³=(4x)³とすれば、4xというかたまりを aとみることができます。同様に yを b、2zを cとみます。
【性質】文字は「式のかたまり」を表すこともできる a,b,cは一文字でなくても構いません。a=4xのように式のかたまりを一つのものとして扱えます。
【方針】見慣れない式を、知っている形にする 新しい問題に見えても、式の見方を変えると、すでに分かっている問題と同じ構造になることがあります。
【性質】展開と因数分解は逆向きの操作 (i)で展開して得た等式を逆から見れば、(ii)の因数分解に利用できます。
ここまで見てきた「性質・操作・方針」は、この問題だけを解くための特別なテクニックではありません。
特に、「かたまりを1つの文字とみる」「見慣れない式を知っている形にする」という考え方は、高校数学でさまざまな場面で使われます。扱う式が複雑になるほど、一つ一つの文字や項だけを見るのではなく、式全体の「形」を捉えることが大切になります。
また、今回の問題では、(i)が(ii)を解くためのヒントになっていました。難しい問題に出会ったときには、すぐに計算を始めるのではなく、「すでに分かっていることの中に、使えるものはないか」と考えることも重要です。
今回取り上げた問題は、入試問題の中では比較的取り組みやすい問題です。しかし、こうした問題でも、答えを出して終わるのではなく、「なぜこの解き方を思いつくのか」「ここで使った考え方は、ほかの問題でも使えないか」まで考えてみましょう。 一つ一つの問題から、次の問題でも使える「考え方」を身につけていく。それが、高校入試だけでなく、その先の数学にもつながる実力をつける勉強です。京大フロイデ塾では、自ら考え、問題を解決できる力を育てます。興味を持たれた方はぜひお問い合わせフォーム
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